VOCALOID 5 レビュー

DTM

VOCALOID5、優秀です。

曲を作るにあたって、VOCALOID 5を導入したので、そのレビューを。First impressionとしては、’こいつ、やるな・・!’ ということ。以下に良い点・悪い点を示そうと思います。
ちなみに私は、 ‘旧来のボカキューとの違いは分かるけど、こなれてはいないよ’ という程度のライトユーザ、というのが前提です。また、使ったのはボカロ3時代の音源であるIAとIA Rocksです。環境はMacで、Logic Pro Xを使用しています。

先に総論: いちいちオートメーションを書く箇所が減るから楽

いや正直オートメーション描くの、面倒ですよね?その点こいつはツマミを回すなり上げ下げするなりで大体いけちゃうから、有難い。もちろんオートメーションカーブも描けるのでそのへんはご安心を。私も ‘Mouth’ とか ‘Velocity’ とか、弄りまくってます。ただ、ボカキューに比べたら描く量が減るのが有難いです。
旧来ボカロの裏技が染み付いている人とかでなければ、買ったら幸せになれると思います。

VOCALOID 5 Pros

使ってみて感じた長所は以下の通り。

    • CoolなGUI
      かなりcoolでカッコいい。使いたくなるデザインをしてくれているのは意外と重要だな、と思いました。ピアノロール画面上でPitch bendが常に見た目で把握できるので分かりやすい。また、パラメータ調節が殆ど単純なツマミなので分かりやすい。ただちょっとマニュアルが説明不足だったり、ボタンも見づらいところにあったりするので、そういう戸惑いは、特に最初はあります。
    • ベタ打ちの精度向上
      ベタ打ち時点でpitch bendを自動で描いてくれるので、それだけでもある程度自然な音になってくれます。単純に音の大きさを調整する量が少なくて済むのは助かります。
    • ‘Style’ による全体的なパラメータ設定
      VOCALOIDの歌い方を、勝手に調整してくれます。プリセットが豊富で、適当に選ぶだけでも様々な歌い方をしてくれるので楽しいです。ただ、そのままでは全然使えないプリセットも多分にあるので、そこからのカスタマイズは必須です。特に ‘Singing Skill’ パラメータはマジで不要。オフ推薦。
    • ‘Attack & Release’ による簡単な表情付け
      いちいち細かいオートメーションを書かなくても、これで、いわゆるしゃくり上げやビブラート、また唸り声など、それなりのものを作れます。Pitchの調節も視覚的に出来るし、かかるタイミングも簡単に調節出来るのが良い。
    • ボカキュー (VOCALOID 4) に比べ、良い意味でパラメータが改善している
      ‘AIR’ や ‘Breathiness’ を使うと、本当にちゃんと息成分の多い音になってくれます。ボカロ4時代は死にパラメータだと思ってた。
    • Mac対応 (AU plugin)
      Mac対応だから、ちゃんとLogicで使える!これでボカキューのために普段使っていないCubaseを立ち上げる必要もありません。Logicユーザからすると、めちゃくちゃ嬉しい。これを待っていた…!

 

VOCALOID 5 Cons

ダメな点も書きます。

    • いちいちレンダリングする割に読み込みが遅い
      パラメータ1つ変えただけでロードして、それを待たないと音が出ない。ストレスフルなので、とりあえずオケは概ねフリーズしちゃうことをオススメします。
      ※この点は後のupdateで改善されたかもしれません。確認できたらupdateします。
    • PanやVolumeが効かない (ことがある)
      …原因不明です笑 Audioとしてexportすることは出来るので、場合によってはそれで凌ぎましょう。
    • テンポや拍子がDAWと同期しない
      テンポが一定の曲なら問題無いですが、途中でテンポや拍子を変えるような曲であれば、その情報をVOCALOID 5側にも打ち込んであげないと、ロードが狂って大変なことになります。一応、テンポや拍子をmidiから読み込む機能があるので、DAWで一旦MIDIを吐き出して、それをimportすれば解決します。
    • クロスシンセシス非対応
      はい、ゆかりさんの実力ダウンです。ただ、VOCALOID 5の中で複数トラックを作る事はできるので、それの音量バランスを弄って対応は可能です。ちょっと面倒だけど。
    • モバイルアプリ非対応
      iPadのアプリではVOCALOID 5用の制作が出来ません。なので、コレを使いたいとなると、PC必須です。一応ボカロ4用のファイルをiPadで吐き出して、Vocaloid 5にimportすることは出来ますが…個人的にはやる意味無いなあ。なのでiPadでVocaloid 5準拠のアプリが出来ることを切に希望しております。
    • 無駄なサウンドバンクが付いてくる
      VOCALOID 5の標準ボカロが必ず付いてきます。要らないです。まあこれは、使わなければ良いだけの話。

     

    まとめ

    個人的には、満足できる出来です。曲を作りたいのであって、調教をしたいわけではない。そんな私にとってVocaloid 5は、調教する気になれるGUIと機能を備えてくれています。

    実際に曲を作ってみた

    こちら、高い声と低い声にそれぞれIAとIA ROCKSを使って、重ねています。それぞれ別のボカロなので、重ねると単純に調教ボリュームは2倍なのですが、VOCALOID5のおかげで効率的に調教できたと思います。

IA x ロック、時々EDM。
ボカロ新曲MVはこちら。

moka

moka

作曲と映像編集。ぷよぷよS級リーグPVの映像やテーマ曲を担当。 DTMのニッチな悩みに刺さる情報を発信します。

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