DTMにおけるM1Xについて考える

DTM

※当記事は新しいMacBook Proが発表される前のものです。発表後の記事は以下をご覧ください。

Macの買い替えを検討しているDTMerは、現行モデルを買うべきか、M1Xを待つべきか。
筆者としては’待ってみても良いのでは?’と思っている。

Apple Siliconの省電力性は無視できない

現時点 (2021年9月6日) では、次期MacBook Pro (=MBP)と次期Mac Miniについて、現行Apple Silicon M1の上位モデルであるM1Xが搭載される見込み。
Apple Siliconの最大の武器は、その省電力性にある。Laptopに搭載されたM1は、他のlaptopに比べ熱を持たず、クラムシェルモードで使うことも出来るし、バッテリー持ちの伸びにも繋がる。ファンが回りにくいため、’静かである’ ことはDTMにとって有難い。
なお、噂されているスペックは概ね以下の通り。

  • 最大10コアCPU
  • 最大32GB ユニファイドメモリ (64GBメモリに匹敵)
  • 最大32GB GPU

    スペックでの注目ポイントはメモリ。現行M1では最大16GBまでであるため、これが32GBまで積めるようになると、DTMでの恩恵は大きい。
    (M1はユニファイドメモリのため16GBでも性能は2倍なり4倍なりに匹敵するという話もあるが、私はM1 Macを持っていないため不明)
    他のスペックは眉唾だが、DTM的にはポートが多い方が嬉しい。

現行Intel Macとの Pros and Cons

MBP M1Xの購入を検討するならば、比較対象はMBP (2019) 16inchになるだろう。
DTM用途で考えたときの利点・欠点を考察する。

現行MBP 16inch

○IntelのためDTMソフトウェアの稼働を心配する必要がない
○今すぐ買える
○OSが新しすぎるという心配も要らない
○整備済み製品のラインナップが豊富なため、15% offで入手しやすい
×熱を持つためクラムシェルモードでは使いづらく、静音性でApple Siliconに劣る
×バッテリー持ちも、それほどではない
×外部I/Oは乏しいため、USBハブは必須

MBP M1X

○熱を持たないためクラムシェルモードで使用可能・静音性に優れる
○Intel Macと比較してバッテリー持ちが良い
○スペック・外部I/Oともに充実の予想
×いつ発売されるのか不明 (今年中に出るかどうかも怪しい)
×DTMソフトウェアのサポートがまだまだ不足している
×OSが最新のため、現行機からの移行に手間がかかる可能性あり

Macの買い替えはもう少し様子見か

当然、DTMソフトウェアのApple Silicon対応については懸念材料であり、使えなければそもそも話にならない。但し、昨今はそれなりに動作検証が進んでおり、基本的にゆくゆくは対応することを考えたときに、Apple Siliconの持つ省電力性は非常に魅力である。個人的には、正式発表を待つ価値があると思っている。

前回の記事にも書いた通り、私のメイン機はMac Pro Late 2013である。いわゆるゴミ箱PC。Catalina以降に搭載されたSidecarに対応していない、など、そろそろAppleからのサポートが切れていきそうな気配がある。


スペック的には申し分ないものの、SSDが内蔵1TBで不足している。外部SSDをこれ以上繋げていくのも煩わしいので、出来れば現行MBPが持つような8GBの内蔵SSDが欲しいところ。そこで、今回買い換えを検討することにした。

最初に検討したのは現行Mac Proだが、正直かなり割高感があった。フォルムもゴツくなるし、机に置けるか不安で、思ったほどの魅力は感じない。
そこで私は現行MBP 16inchの購入を検討した。DTMでは必ず最新技術やOSへの対応が遅れるため、新古品を安く買うのは明らかに賢い選択である。SSDも積めるしスペックも申し分無い。唯一の懸念は排熱性能だった。以前に比べ良くなったらしいが、それでもApple Siliconには勝てない。M1 MacBook Airのレビューを見る限り、単純にApple Siliconが有能すぎる。

Desktopの優位性が崩れる

以前のMBPはスペック不足でバッテリーや熱も心配され、持ち歩くにも重くて不便、という印象があった。しかしスペックは年々確実にアップし、またApple Siliconの省電力性により熱周りの問題も解消され、重ささえ目を瞑れば持ち運びが可能になった。据置機として使う分にも、モニタに繋いでデュアルディスプレイにするも良し、クラムシェルモードで使うも良し、である。従来私はデスクトップ信者だったが、Apple Siliconの省電力性は、それを打ち砕くポテンシャルを持っている。

元々、外出先でDTMをやる発想はゼロだったが、近年は持ち運べたら良いなと思う局面が増えた。まず、引っ越しを考えると据置機は面倒だった。転勤にせよ、引っ越しにせよ、自分で持ち運べたほうが安心感がある。また、今はコロナ渦のため検討できないが、元々外出先でDTMが出来たら良いなと思うことは多々あった。昔と違って今は家族も居るので、外出先で作業するほうが気楽、という局面が今後も増えていくと思う。

M1Xは、従来のLaptopの弱点を全て解消しうるポテンシャルを持っている。DTM対応が遅れることを差し引いても、正直欲しい、というのが本音。
もちろん、更に1,2年待つというのもアリかもしれないが、いずれにせよ、まずは正式発表を待ちたいと思う。

IA x ロック、時々EDM。
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moka

moka

作曲と映像編集。ぷよぷよS級リーグPVの映像やテーマ曲を担当。 DTMのニッチな悩みに刺さる情報を発信します。

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