Neumann NDH 30 レビュー

DTM

今回は私が愛用しているモニターヘッドホンのうち、開放型のNeumann NDH 30をレビューしたいと思います。

前提

現在、私はヘッドホン中心で音楽制作しています。9割どころか99%ヘッドホンです。スピーカーは持ってはいますが、鳴らせる環境にないため、ほぼ使っていません。
そもそもスピーカーを正しく鳴らす環境構築が、一般人にとって難しすぎませんかね。。

Neumann NDH 30

スピーカー代わりに使えるヘッドホンとしては最高クラス
Focalとかのほうが上かもしれないけど欲しくなるのが怖いのでそっちは聴いてない、でもこれで何の不満もない

ビルドクオリティ

堅牢性抜群。壊れそうにありません。イヤーパッドはベロア調で普通に消耗しそうなので、私はEarProfitを使用しています。
とはいえ、劣化しても、ちゃんと交換パーツがあるので安心。

スイベルもするし折りたたみも可能ですので、見た目ゴツい割に持ち運びもしやすいです。

ケーブルは着脱式の布巻き3mストレートケーブル。これがタッチノイズを拾いにくく、使いやすい個人的にケーブルは重要で、着脱式はマストだし、タッチノイズはかなり気になるポイント。でもこれならリケーブルの必要性は感じません。

何故かケーブルは右出しです。非常に珍しい。但しケーブルは3mあるので機材の配置はそこまで気を使わずとも対応可能です。

装着感・快適性・遮音性

装着感は素晴らしく、快適。ヘッドバンドの長さは調整可能です。
開放型ですので蒸れることもなく、また側圧が強すぎるということもなく、私はずっと着けていられます。

当然ですが開放型ゆえ遮音性は皆無。静かな部屋で使うのが良いですが、エアコン程度は気になりません。
スピーカーに比べれば音量は知れてますので、扉を閉めておけば、廊下や隣の部屋への音漏れについては心配無用。ヘッドホンの良いところですね。

サウンド

低音も見えるスピーカーといった感じ。スピーカーと聴き比べても違和感が少ないので、スピーカーっぽい鳴りを求めている方には良いと思います。
低音が見える上に聴こえ方がナチュラルで、スピーカーとヘッドホンの良いとこ取りが出来ている印象

解像度やステレオイメージで困ることもありません。以前利用していたbeyerdynamic DT 900 Pro Xでは、低音の解像度で困ることがあったのですが、NDH 30では今のところ問題無し。
ただ、バキバキに音がくっきり見えるとか、分離感がすごいとか、そういった類のものではないです。あくまでスピーカーっぽく自然な感じ。

中低域がしっかり鳴る一方で、中高域・高域はやや控えめな印象。
これはそもそも製品のコンセプトで、スピーカーっぽい鳴りを目指して、ヘッドホンで多くなりがちな高域の鳴りを敢えて押さえているとのこと。
実際、高域に関しては、他のモニターヘッドホンと比べたら控えめかなと思いますが、寧ろ丁度よいと感じます。スピーカーっぽい自然な鳴り方で、聴き疲れしにくく快適

逆に、耳に刺さりやすい、尖った高音が無いかの確認はしづらいので、そういった用途であれば他のモニターヘッドホンを使ったほうが良いでしょう。

トランジェントは見やすいです。変に低音がブーミーだったり、リバーブの残響が激しすぎたりすることもありません。
音の開始・終了は分かりやすい。かといって音の切れ味が鋭すぎることもないので、作業のしやすさという点で個人的には信頼度の高いヘッドホンです。

音量バランスの観点では、寧ろ中高域、概ね1.5kから3kあたりが若干控えめである点には少し注意が必要です。
私の場合、これで素直にミックスをするとボーカルやストリングスなど、メインで聞かせたい部分を大きくしてしまいがちです。ただ、この特性さえ理解しておけば何てことはありません

SoundID Referenceの対応機種でもあるので、それでキャリブレーションすれば中高域の控えめ感は解消されます。
元々がバランスの取れた周波数特性であるため、キャリブレーションしても大きくバランスが崩れることはなく、違和感も少なめです。私はマスタリングの際に、必要に応じて利用しています。

対抗製品

私がNDH 30を購入した頃にはまだ無かった製品ですが、今はSennheiser HD490 proという選択肢があります。使ったことが無いので無責任なことは言えませんが、今買うならコッチで良いかも感があるので、ぜひ比較検討をしてみることをオススメします。

Sennheiser HD490 proの特徴

※音の傾向については、海外フォーラムでの記事や口コミ、周波数特性グラフなどを見ているだけで、私自身比較試聴したものではありません。

  • 開放型で、NDH 30と音の傾向も近いモニターヘッドホン。SoundID Referenceにも対応
  • 用途に合わせた2種類のイヤーパッド。脱着・洗濯可能
  • スイベル可能でNDH 30よりも軽量 (折り畳みは恐らく不可)
  • ケーブル片出しだが左右どちらからも出せるので機材配置を選ばない
  • 堅牢性はNDH 30には劣るが、ヘッドバンド等壊れやすい箇所は金属のため心配は無さそう
  • NDH 30より安い

まとめ

Neumann NDH 30は、スピーカー環境の構築が難しい方にとって、良い選択肢となるヘッドホンです。
堅牢な作りと快適な装着感に加え、自然でスピーカーライクなサウンドは、長時間の制作作業でも問題なく使えます。
中高域がやや控えめな特性は、特にミックス・マスタリング時に留意しておく必要がありますが、SoundID Referenceでの補正も可能です。
但し、これから導入を検討する方は、より手頃な価格のSennheiser HD490 Proもぜひ候補に入れてみて欲しいです。

IA x ロック、時々EDM。
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moka

moka

作曲と映像編集。ぷよぷよS級リーグPVの映像やテーマ曲を担当。 DTMのニッチな悩みに刺さる情報を発信します。

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