前回の記事でM1 Max搭載のMacBook Proをポチった話はしたのですが、その後届いてから諸々のセッティングと共に、動作確認を行いましたので、そのご報告です。
Contents
移行作業は(当たり前だが)大変
Macには’移行アシスタント’という便利そうな機能があるのですが、これは使いませんでした。使うためには移行元PCのOSもMontereyにしないといけない、というのがちょっとハードル高かったですね。
やってみて思ったことは、‘やはり移行元PCで行わないといけないことはかなり多い’ です。特にプラグインのdeactivateが多く、これをやり忘れたままPC処分をしてしまうと、詰んでしまいかねないので要注意。
※尚、使用感については、現状クラムシェルで使っていて満足しかしていないのですが、レビューをするには余りにも日が浅すぎるので、今回の記事はあくまでM1 + MontereyがDTM環境にどこまで適応出来ているか、を考察するものとなります。
M1とMonterey環境におけるDTM動作確認結果
DTM系ソフトウェアについては、前評判通りRosettaが優秀すぎるため、動かなかったソフトというのは私の環境下では存在しませんでした。そう、Macだけに関して言えば。
とはいえ、移行に幾つか苦戦したソフトウェアもあったので、以下に症状を記載します。特にSpitfireのBT Phobosだけは公式サポートを使うことになったので、気をつけるべきことを後述します。
Spitfire BT PhobosをRosettaで使う方法
Spitfire製品についてはSpitfire appで製品downloadが出来ます。私の場合は古いPCからの移行だったため、移行元PCのライブラリをそのまま移して使えたものが多かったのですが、BT Phobosについては上手くいきませんでした。具体的には’No Presets Found’ と表示され、全くプリセットが読み込めない現象が起きました。
自己解決が出来ず、Spitfireのサポートに問い合わせたところ、既に移行したライブラリやコンポーネントを一旦全て捨てた上で、Spitfire appをRosettaで開いて、BT Phobosをクリーンインストールすることで解決しました。Logic同様にSpitfire appもRosettaで開くことが出来るんですね。
よって、これから新規にBT Phobosをインストールする方、或いは今後M1 Macへの移行を考えている方でBT Phobosを持っている方は、最初からSpitfire appをRosetta起動させた上でBT Phobosをインストールすると良いと思います。
BFD3のdeactivation
BFD3についてもdeactivationが必要なのですが、移行元PCでのdeactivationが終わっているにも関わらず、移行先PCがなかなかそれを認識してくれず、結構苦戦しました。具体的なエラーメッセージは ‘BFD3 has been disabled because You are not logged into inMusic account. Please run the BFD License Manager’ というものでした。
こちらは、(移行元PCでのdeactivateを実施した上で) 移行先PCで使っているBFD License Managerを最新版にupdateした上で再度試したところ、動きました。
参考: M1 Mac Montereyで軽く動作検証したDTMプラグイン
以下のプラグインやハードウェアは正常動作しました(順不同)。とはいえ、音が鳴った、程度の検証しかしていませんのでその点ご注意ください。
ただ、上述の通りRosettaの恩恵により、DTM系のプラグインで、M1 chipのせいで困るということは、実質的にはもう殆どなくなったのではないかな、と思います。
- RME: Babyface Pro FS (M1用ドライバのインストール手順は少し特殊)
- Spectrasonics: Omnisphere 2, Stylus-RMX, Trilian
- reFX: Nexus 3
- Spitfire Audio:BT Phobos
- FXpansion: BFD 3
- Propellerhead: Reason Suite, Reason Rack Plugin
- Native Instruments: Kontakt 6 (=Kontaktで動くプラグインは全てOK)
- Three-Body Technology: Heavier7Strings
- YAMAHA: VOCALOID 5
- Heavyocity: ACSEND, MOSAIC TAPE, MOSAIC KEYS
- iZOTOPE: OZONE9, RX9, etc.
- fabfilter: Pro-Q3, etc.
- Virharmonic: Bohemian Violin / Cello
- Toontrack: Superior Drummer 3
- Soniccouture: Hummersmith Pro
- Waves: Gold, CLA Vocals, etc.
- Softube: Weiss MM-1
- Pulser Audio: Pulser Mu
- Best Service: NUDA
- IK Multimedia: MODO DRUM, MODO BASS, Hammond B-3X
- Reveal Sound: Spire
M1になったことで一番困ったのは、Windows環境
寧ろ困ったのはこちら。今までWindows環境はParallels Desktopで満足していたのですが、M1 MacではARM版Windows 11を強制的に使用させられ、これだと動かないソフトウェアがちらほら。
元々は、Parallelsさえアップデートしておけば大丈夫だと思い、あまり心配してなかった部分だったのですが、意外と引っかかりました。現状では、M1 Mac上で動くARM版WindowsはMicrosoftのサポート対象外なので、Windowsのソフトを恒常的に使う方は要注意です。
私の場合は、思い切ってWindows PCを別途購入してしまいましたが、そうならないためにも、事前に情報が仕入れられるならそれに越したことはないと思います。
コメント