今までは25鍵のMIDIキーボードを使っていたのですが、これを見直して、88鍵のNuma Compact2を購入しました。
この記事では、買い替えた理由の紹介と、そのレビューを行います。
Contents
MIDIキーボードを見直したきっかけと経緯
私は以前、49鍵のKORG KONTROL49という製品を使っていたのですが、コンパクトさを求めて25鍵のNative Instruments Komplete Kontrol S25に買い替えておりました。これが約5年前の話。
49鍵をそんなに使いこなせてもいなかったし、自分自身、大してピアノ弾けないので、25鍵で音さえ鳴らせればいいやくらいの気持ちでした。あとは、S25の様々な便利機能に興味を持ったというのもあり、MIDIキーボードの見直しに着手しました。
NI社のKomplete Kontrol S25に対する物足りなさ
S25は機能盛りだくさんで優秀ではあったのですが、使っているうちに、少し物足りなさを感じ始めていました。
ピアノ弾けないけど、それでも25鍵はやっぱり少なすぎる
以前、49鍵から25鍵に移行するにあたっては、’そんなに両手で弾くことも無いから25鍵で十分だろう’と、高をくくっていたのですが…思ったよりダメでした。主旋律ですら鍵盤が足りなくて、あまり使い物になりません。。
ボタン一つでキーの上げ下げは出来るのですが、演奏中に行うのは無理なので、ピアノ弾けなかったとしても鍵盤数は必要なんだな、と思ってしまいました。
奥行きが長すぎて、メインのデスクに置けない
正直、鍵盤少ない = コンパクトだと勘違いしていました。横幅が問題なくても、ボタンやノブ、フェーダー等がある鍵盤だと、今度は奥行きが長くなりすぎて、メインのデスクに置けませんでした。
よって仕方なくサイドテーブルに置いているのですが、やっぱり画面見ながら鍵盤を触りたい。鍵盤が目の前にないのは使いづらいです。
最初はサイドテーブル方面にサブディスプレイを置くことも考えたのですが、なかなか運用が難しいので、それよりは鍵盤そのものをメインデスクに置きたくなりました。
ついでにピアノ練習したくなってきた
MIDIキーボードに対するもどかしさを感じていると、ピアノ弾けたらどんなに打ち込み楽だろうという夢を見始めます。人間、無い物ねだりですからね。
また、どうしても作曲に気持ちが向かない日というのは出てきますが、そんな日でも、ピアノの練習くらいなら出来るかもしれません。そうすればその日は結果的に打ち込みの練習になり、プラスですよね。
そんなことを考えて、ピアノの練習が出来る環境は、あっても良いなと思うようになりました。
ただ、これはあくまで、MIDIキーボードのついで、です。ピアノの練習が継続できなかった時に、ただの置物になってしまっては困りますからね。
61鍵の検討と挫折
よって、以下の条件に当てはまる鍵盤を探し始めました。
- デスクに置けるコンパクトさがある
- ある程度両手で弾ける程度の鍵盤数がある
- ある程度マトモに弾ける鍵盤である
鍵盤を置くためのスライダー等を付けることも検討しましたが、私のデスクサイズに合うものが見つからなかったので、鍵盤はデスクにそのまま置くことにしました。
M-AUDIO Keystation 61 MK3を断念
最初は61鍵を検討していました。作曲用途なんだから、88鍵も要らないだろうと最初は思っていました。そもそも88鍵をデスクに置けるとも思っていませんでした。
61鍵だと、選択肢が少なめで、M-AUDIOのKeystation 61 MK3が本命となります。
しかし実機を触ってみた感じ、個人的にはあまりしっくり来ませんでした。思ったより鍵盤がヘコヘコするし、意外とデカいな、という印象を受けました。
この辺は本当に好みが出る部分だと思いますので、MIDIキーボード購入の際はぜひ実物を触ってみることを強くオススメします。
KORG Microkey 61も断念
ちなみにKORGのMicrokeyシリーズも触ってみました。ミニサイズ鍵盤なので、これで打ち込めるのであればコンパクトさという観点ではベストなんですが…さすがに私には鍵盤が小さすぎて、演奏出来ませんでした。
意外と実機を探し当てるのに苦労して、都内10箇所くらいは探し回った気がします。骨は折れたものの、やはり買う前に触ってみるべきだと強く感じました。
電子ピアノの検討
61鍵のMIDIコントローラで、コンパクトなものは種類が少ないので、電子ピアノをMIDIキーボードとして使う案も模索しはじめました。電子ピアノでもPCに繋げばMIDIキーボードとして使えるし、余計なフェーダー等がない分、ピュアなMIDIキーボードよりコンパクトな製品もあったりするんですよね。
そこで新たな本命択として出てきたのがCASIOのCT-S1およびCT-S400。MIDIコントローラとしても使えて、コンパクト。購入寸前まで行きましたが、これらをMIDIキーボードとして使ったレビュー等がなかなか見つからず、使用感について少し自信が持てなかったことに加え、実機を触った感触として、思ったより鍵盤が軽いなという印象があり、結局購入までには踏み切れませんでした。
また、自分のデスクスペースを考えたときに、奥行きが1番余裕無かったのですが、横目で見た88鍵のPrivia PX-S1100を見た時に、こっちのほうが奥行きが短いことに気付いてしまいました。そこで思ったのです。
’もしかして、頑張れば88鍵置けるのでは?’と。
88鍵の検討
様々な61鍵を検討するうちに、果たして61鍵あれば必ず満足できるのか、自信が無くなってきました。61鍵ってそれなりに大きいので、中途半端に見えてきたんですよね。
88鍵あれば、鍵盤数が足りない、という心配はゼロ。私の使い方だとノブやフェーダーは殆ど要らないので、とにかく鍵盤数を優先したくなっていきました。フェーダー等については、Logic Remoteだって使えなくはないし、フィジコンを別途買ったって良いですし。私の場合は、既に持っているNI社のS25を継続利用すれば良いだけでもありました。
88鍵をどうにかデスクに置けないものか。コンパクトな88鍵盤を探し回って、最終的に辿り着いたのがStudiologic Numa Compact2でした。
Numa Compact2 レビュー
Studiologic Numa Compact2は、88鍵フルサイズキーボードの中で、最もコンパクトと言って良いです。
ステージピアノに分類される製品ですが、MIDIキーボードとして使用可能です。
フルサイズ鍵盤を保持しつつ、最高にコンパクト
横幅1270×高さ100×奥行230 mm という寸法は、ハッキリ言って驚異的です。PitchやModをツマミにすることにより、スペースの使い方という観点では、あらゆる鍵盤の中で最も無駄のない構造となっています。横幅も奥行きもかなり抑えられており、私にとっては唯一、無理なくデスクに置けるフルサイズ88鍵製品です。
それ以外の特長は以下の通り。
しっかりとしたセミウェイテッド鍵盤
NI社製品などにも採用されているFatar製の鍵盤で、個人的には弾きやすいです。コンパクトかつ、この弾き心地を提供してくれるのはとても素晴らしいですね。
バスパワー駆動可能
コンパクトな88鍵となると、電子ピアノが競合になりがちなのですが、それらは基本的にACアダプタを挿す必要があります。Numa Compact2のユニークなところは、MIDIキーボードとして使用する限りに置いてはバスパワー駆動が可能な点です。
もちろん単体で音を出すときはアダプタが必要になりますが、普段そんな使い方はしないので、電源を選べるというのは単純に嬉しいです。
唯一の弱点も対処可能
本製品を使う上での唯一の欠点は、’初期状態だと、ノートが二重入力されてしまう’ことなのですが、これは簡単に対策可能です。
対策方法については以下の記事を御覧ください。
結論: MIDIキーボードで悩むなら、必ず候補に入れるべし
以上がNuma Compact2のレビューとなります。まとめると、以下のようなMIDIキーボードを探している方にはピッタリです。本当にオススメ。
- 61鍵以上欲しい、出来れば88鍵あるに越したことはない
- でもコンパクトさを追い求めたい
- 鍵盤はフルサイズ希望で、ある程度の質感は欲しい
- ノブやフェーダーは犠牲に出来る
私自身実際に検討してみて思ったことは、繰り返しになりますが、MIDIキーボードは実際に触ってみたほうが良い、ということです。自分が何を鍵盤に求めるのか、何なら妥協できるのか。その優先順位は、やはり触りながら確かめていったほうが間違いが無いと思いました。
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